
海上の森
愛知県(愛知県瀬戸市)海上の森 画像
海上の森(かいしょのもり)とは、愛知県瀬戸市の海上町を中心に上之山町、屋戸町、吉野町、広久手町にかけての地にある約600haの里山と森林、公園である。庄内川水系矢田川の支流海上川などの上流域の山域であり、200以上もの小さな湿地があることが特徴の森である。大半は県有林であり「愛知万博記念の森」として愛知県が市民の協力を得ながら管理している。
2005年日本国際博覧会(愛知万博/愛・地球博)の会場候補地として注目を浴び、日本や世界の自然保護運動やその後の国際博覧会のあり方に影響を与えた場所である。オオタカの営巣確認されたことを契機に反対運動がひろがり会場計画が見直され、森のほぼ全体が残されることになった。今後は、愛知万博の理念や成果を継承すべく、将来にわたって保全していくこととなっている。
北西側は砂礫層の地質でアカマツやシダ植物のコシダなどが生育している。海上の森には120箇所以上の小さな湿地があり、シデコブシが点在している。南東側は花崗岩地質で風化した土壌にコナラ、アベマキなどの落葉広葉樹林が生育し、スギ、ヒノキなど針葉樹林の植林地となっている。海上の森の西部の区域が「愛知県自然保全地域」や「野生動物保護地区」の生態系保護区域に指定されている。2006年(平成18年)4月1日に「あいち海上の条例」が施行された。秋には遊歩道周辺でソヨゴの赤色の実、ムラサキシキブの紫色の実、クリや柿の実などもが見られる。また遊歩道ではウグイス、キセキレイ、コゲラ、シジュウカラ、ムクドリ、ヤマガラなどの野鳥やギフチョウとムササビなどが見られる。ツキノワグマが出没することも稀にある。