オガサワラガビチョウ(小笠原画眉鳥、Cichlopasser terrestris)は、鳥綱スズメ目ヒタキ科に分類される鳥類。
分布
日本(父島)
模式標本の産地(模式産地)は単に小笠原諸島とされているが、記載者が上陸したのが父島のみだったため父島にのみ分布していたと考えられている。
形態
上面の羽衣は暗黄褐色で、腰や尾羽、尾羽基部上面(上尾筒)を被う羽毛は赤褐色みを帯びる。頭部や背には黒い縦縞が入る。下面の羽衣は白く、喉に暗褐色の縦縞が入る。尾羽基部下面(下尾筒)を被う羽毛は暗褐色で、先端に白色斑が入る。体側面の羽衣は淡褐色。雨覆や三列風切は黒く、羽毛の外縁(羽縁)は褐色。
虹彩は暗褐色。嘴は黒い。
なお、ガビチョウの名前がついているが、ガビチョウはチメドリ科でウグイス科に近い種類であり、本種と近縁種とは言えない。
また本種の帰属する属には結論が出ておらず、IUCNではトラツグミ属 Zoothera に分類している。本稿では環境省のそれに従い、本種のみで構成されるオガサワラガビチョウ属 Cichlopasser とする。
生態
海岸近くにある森林に生息していた。地表性。
胃の内容物から昆虫、甲殻類を食べていたと考えられている。
絶滅の経緯
絶滅に至る経緯や絶滅年ははっきりしていないが、1830年頃から始まったとされる人間の定住に伴って島に持ち込まれたネズミや野生化したブタに捕食され、絶滅に至ったと考えられている。
1828年に記載者が採集したウィーン自然史博物館、ゼンケンベルグ博物館、ライデン自然史博物館、ロシア科学アカデミー動物学博物館所蔵の4標本のみ現存する。
絶滅(環境省レッドリスト)