汐川干潟
愛知県(愛知県田原市)汐川干潟 画像
汐川干潟(しおかわひがた)は、愛知県豊橋市と田原市にまたがる三河湾の干潟である。中部地方で最大規模の干潟で、日本有数の渡り鳥の飛来地として知られている。
三河湾の南東端の渥美半島の付根の田原湾に位置し、砂泥質の自然干潟である。以前は漁業が盛んな地域で昭和30年代までは2,000haほどの干潟の面積があったが、周辺の埋立地の開発により280haほどまで縮小した。愛知県の三河港計画で埋立による消滅の可能性があったが、1975年に「汐川干潟を守る会」が結成され干潟の保護活動が行われた。その後計画が見直され、名古屋港の藤前干潟と同様に広い干潟が残されている。南西方向から流れ込む汐川などの河口域に位置し、田原市東部の汐川河口から豊橋市南西部の杉山地区にかけて広がる。周辺にはうなぎ養殖場などの埋立地があり、干潟の北側には埋立地を東西に結ぶ愛知県道2号豊橋渥美線の三河港大橋が架かる。2001年12月に環境省により汐川干潟を含む三河湾が、日本の重要湿地500に選定された。田原市では2009年に「汐川干潟フォトコンテスト」が開催された。周辺では干潟の自然観察会が開催されている。
春と秋にはシギ類とチドリ類、冬にはカモ類などの多数の渡り鳥が飛来し、多くのバードウッチャーが野鳥観察に訪れる。「ダイゼンの越冬群」と「ハマシギの越冬群」が愛知県のレッドリストで地域個体群の指定を受けている。
通年見られる種(留鳥)-アオサギ、カルガモ、カワウ、ケリ、コサギ、シロチドリ、セグロセキレイ、セッカ、ダイサギ、ヒヨドリ、モズ
春と秋に見られる種-アジサシ、オオソリハシシギ、キアシシギ、キリアイ、キョウジョシギ、ソリハシシギ、ダイゼン、チュウシャクシギ、トウネン、ホウロクシギ、メダイチドリ
夏に見られる種-オオヨシキリ、コチドリ
秋から春にかけて見られる種-イソシギ、ウミネコ、オオセグロカモメ、オナガガモ、カンムリカイツブリ、キンクロハジロ、コガモ、ズグロカモメ、スズガモ、ハマシギ、ヒドリガモ、ホシハジロ、マガモ、ミサゴ、ユリカモメ
汐川干潟の野鳥
春秋:サギ類,カモ類,サシバ,チョウゲンボウ,チドリ類,シギ類,アジサシ,ホトトギス類,ツバメ類,エゾビタキ,コサメビタキ,サメビタキ,コムクドリ