三徳山
鳥取県(鳥取県東伯郡三朝町)三徳山 画像
三徳山(みとくさん)は、鳥取県東伯郡三朝町にある山である。標高899.6メートル。山名は「法身(美しい)」「般若(にごりのない)」「解脱(働きのある心)」の3つの徳に由来する。マスコットキャラクターにみとちゃんがいる。
三徳山全域が三徳山三仏寺(天台宗)の境内となっており、中腹の断崖に浮かぶように建つ国宝・投入堂は特に有名。全山が国の名勝・史跡に指定されている。世界遺産に推薦を申請したが、継続審議となった。
登山道は中腹にあたる投入堂までの1本のみであり、全山が人跡未踏の原生林に覆われているため、貴重な植物相が見られる。また寒暖両地方の植物が入り交じって見られる。
三仏寺まではヤブツバキが多い。標高300メートル地点の文殊堂のあたりからはブナの大木が目立つようになる。標高450メートル地点の投入堂から上には、アカマツ、アカガシ、フクラシバなどが見られる。三徳山では、通常はブナ林の下位に位置するアカマツ・アカガシなどがブナ林の上位に位置し、植物相が逆転している。これは山麓の三徳川・垢離取川が作る深い谷から来る冷気の影響で、低地の方が気温が低いために生じる現象と見られている。したがって秋の紅葉も、三徳山では山の下方から始まり、次第に上方へと移っていく。三徳山の南側にある景勝地・小鹿渓でも、同様な植物相の逆転現象が見られる。
三徳山で見られる珍しい植物としては、着生植物のシシンラン、ミトクナデシコ(固有種)、ツクシシャクナゲ、ウンゼンマンネングサ、ハナミョウガなどが見られる。ただこれらの植物は、近年の登山客の増加によってめっきり少なくなってしまった。
大型鳥獣は多くない。鳥類では、三徳川・垢離取川ではカワガラス、キセキレイが見られる。林にはカケス、コゲラ、アカゲラ、アオゲラなどが見られる。メジロ、ヤマガラ、シジュウカラ、コガラ、エナガ、ヒガラ、キクイタダキなどは、群れを作って現れることもある。
陸貝、昆虫類は豊富であるが、本格的な研究はなされていない。
三徳山の野鳥
アオバト,イヌワシ,キジ,キセキレイ,クマタカ,コゲラ,ゴジュウカラ,トラツグミ,ヒガラ,メジロ,ヤマガラ,ヤマセミ