ヒヨドリ(鵯、Hypsipetes amaurotis)は、スズメ目ヒヨドリ科ヒヨドリ属に分類される鳥類。
分布
日本、サハリン、朝鮮半島南部、台湾、中国南部、フィリピンの北部(ルソン島)に分布する。日本国内では留鳥または漂鳥としてごく普通に見られるが、他の地域での生息数は少ない。
形態
全長は約27.5 cm (27-29 cm)。翼開長は約40 cm。尾は長めで(尾長10.9-12.5cm)、ムクドリやツグミより体型はほっそりしている。くちばしは黒くて先がとがる。雌雄同色。頭部から胴体は灰色の羽毛に覆われるが、頬に褐色の部分があり、よく目立つ。また、頭頂部の羽毛は周囲よりやや長く、冠羽となっている。翼や尾羽は灰褐色をしている。南に生息するものは、北に生息するものより体色が濃い(グロージャーの法則)。
日本の亜種
イソヒヨドリはヒヨドリの名が付くが、ヒヨドリ科ではなくツグミ科の鳥であって類縁関係は遠い。
生態
里山や公園などある程度木のある環境に多く生息し、都市部でも見られる。ツグミやムクドリよりも体を直立させてとまり、おもに樹上で活動するが、地上に降りることもある。飛ぶときは数回羽ばたくと翼をたたんで滑空するパターンを繰り返して飛ぶため、飛ぶ軌道は波型になる。
鳴き声は「ヒーヨ! ヒーヨ!」などと甲高く聞こえ、和名はこの鳴き声に由来するという説がある。
日本では周年見られるが、春および秋には渡りが各地で確認される。秋には暖地へ移動する個体も多く、10-11月には渡りが日本各地で観察され、房総半島南端、伊良湖岬のほか、関門海峡では1,000羽を越えて渡る群れも観察される。
果実や花の蜜を食べる。繁殖期は果実に加え昆虫類も多く捕食する。非繁殖期は果実(センダンやイイギリ、カキ、ヘクソカズラなど)がほとんどである。ツバキなどの花の蜜を好む。
5-9月にかけて繁殖する。繁殖期間が比較的長いことについては、捕食されるなど繁殖の失敗による再繁殖が多いことが一つとして考えられる。木の枝上に外径 12-20cm の体の大きさに比べると小型の巣を作る。高さ1-5mに営巣し、巣は椀形で、小枝、枯れつる、イネ科の茎、細根、市街地ではビニールの紐などを使って作られ、産座には松葉やシュロの繊維、ササの葉などが粗雑に敷かれる。1回の繁殖で4個(3-5個)の卵を産み、卵の大きさは約2.95cm × 2.05cm (2.75-3.3cm × 2.0-2.1cm) で、淡いバラ色に赤褐色の斑がある。おもに雌のみによって12-14日間抱卵され、孵化した雛は雌雄により育てられる。雛は10-11日で巣立つが、多くは巣立って数日のうちはあまり飛べないため巣の近くにおり、またその後1-2か月のあいだ親鳥とともに行動する。
人間との関係
日本では里山や公園でよく見られる身近な野鳥の一つである。富山県砺波市の市の鳥に指定されている。
糖分を好むためか、ツバキやサクラなどの花にやってきて蜜を吸ったり、庭先にミカンやリンゴなど果物の半切れを置いておくとすぐにやって来たりする。 しかし、ときに集団で畑に現れキャベツやブロッコリー、イチゴ、ミカンなどの農作物を食い荒らすこともあり、農家には嫌われる。狩猟鳥の指定も果樹を食害する農業害鳥である本種を、煩瑣な手続きを経ないで駆除できるよう配慮したためである。
仔飼いにすると非常によく慣れ、飼い主を見分けることから平安時代は貴族の間で盛んに飼われた。古今著聞集などにその記述があり、現在の競走馬のように個体名が付けられたりして愛玩されたようである。
前述のように、日本国内では都市部を含めごく普通に観察されるが、分布がほぼ日本国内に限られているため、日本を訪れる海外のバードウォッチャーにとっては日本で観察したい野鳥のひとつとなっている。
1993年に旭山動物園が、ヒヨドリの繁殖賞を受賞している。
学名の変遷
ヒヨドリ属の学名はヒヨドリ科の鳥類に関する分類学の進歩とともに変遷している。
日本では Hypsipetes amaurotis や Ixos amaurotis が一般的であり、国際的な分類や保全に関するサイトでは Ixos amaurotis や Microscelis amaurotis が一般的である。
文化
秋の季語
フト目の前にワシワシと実を食べている野鳥を発見。 こちらは東京でも冬場によく見かけるヒヨドリ。でも、色がちょっと違う・・・。 こちらはイシガキヒヨドリ。東京で見かけるグレーのものより色が茶色っぽいのが特徴。 遊歩道を歩き出してまず目につく
2013-03-31 08:37:00
13 こちらは初見初撮りのイシガキシジュウカラさん。 全体的に黒いのと、頬の白い部分 鳥たちの記事は初見初撮りを含めてまだまだ続きますよ~(^o^) 石垣の野鳥シリーズバックナンバー(文字クリックで記事にジャンプします) 其の壱・ カンムリワシ 其の弐
2011-05-15 09:21:00
ペアで居るようでした。 お父さん撮影中!! 一番鳥好きの息子さんも撮影中!! ズグロミゾゴイにも出会えました。 成鳥。 幼鳥。 「コホーコホー」と数回ほど森から鳴き声 アオバズク、リュウキュウコノハズク、オサハシブトガラス、スズメ等など
2010-07-19 23:10:00
こちらではスーサーと呼ばれてる鳥です。 また記事にしたのは一般的なヒヨドリとは違うのかもしれないと思ったから。 あっちこっち検索すると 『亜種 イシガキヒヨドリ』 か 『亜種 タイワンヒヨドリ』 にそっくりです。
2010-07-05 00:00:00
そういえば、赤い鳥が超スピードで空間を横切るのも見ました。 そんなこともあったので、15日、300mmを装着したカメラで、梢上の鳥を逆光で写しました(写真9)。後で画像操作して見ると、イシガキヒヨドリのようでした。アカショウビンでなくてザンネン
2010-05-24 11:34:00
代表的な珍しい鳥をご紹介します。 今回のツアーの目玉でもある「カンムリワシ」です。全員たっぷり撮影できましたv(^o^) 続いて、イシガキヒヨドリ。なんか・・赤い(;^_^A イシガキシジュウカラ、私たちの見る色合いとちょっと違いますね
2010-05-04 00:53:00
「カンムリワシに会いたい!!」と言う希望で野鳥観察ツアーに出かけてきました。 まだ野鳥観察を始めて3ヶ月ほどと言うお父さんと息子さん、 観る鳥全てが新鮮ですよね。 ツバメ、リュウキュウキジバト、オサハシブトガラス、スズメなど
2010-03-26 17:39:00
鳥類の滞在記録を大幅に更新し、本日館外に逃がしました。 スタッフの「何も食べないで大丈夫なのか・・・。 そして、ピィーヨー(イシガキヒヨドリ)の親子も、ゆがふ館にて 子育てしています(??) 数日前
2009-05-18 13:27:00